土田さん1

【やらく人】英語好きから通訳者へ。ヤラクゼンとともに歩む語学プロの道 ~29万人規模のグローバル企業における通訳・翻訳業務とは~

ヤラクゼンを使っていただいているお客様、パートナー企業の方々、八楽で働く仲間、など八楽およびヤラクゼンをとりまく「人」にフォーカスを当てながら八楽を紐解くシリーズ『やらく人』、第3回は、ヤラクゼンを全社導入いただいた大手外資系コンサルティング企業、キャップジェミニ株式会社 土田博文様のインタビューをお届けします。

 

やらく人<VOL3>

シニアコンサルタント / 現役社内通訳者・翻訳者(英・日)として勤務

キャップジェミニ株式会社 通訳・翻訳者 土田博文さん

中学時代の「福袋」がきっかけで、通訳の道へ

 

Q:土田さんご自身のことを教えてください。

 

私は新潟県長岡市出身です。英語を中学で習い始めたときは苦手でしたが、ある出来事がきっかけで好きになりました。

中学1年の冬、お正月の出来事です。我が家では1月2日に福袋を買いに行き、みんなで山分けする行事がありました。その年の福袋に小さなラジオが入っており、私は「これちょうだい」と、早速ラジオを聞き始めました。

それからというもの、私は部屋に入って勉強するふりをしながら、ラジオばかり聴いていました。当時のDJ小林克也さんの番組を聴いて洋楽に目覚めたのです。耳にしたアーティストの作品を、市内のレコード屋に探しに行き、一日中入り浸っていました。そうして英語に慣れ親しみ、次第に英語を好きになり、いつの間にか英語が得意に。

その後、大学では英米文学と英語学を専攻し、在学中はアメリカとイギリスに留学しました。最初の留学先、アメリカのオレゴン州が素晴らしいところだったこともあり、ますます英語熱が高まりました。

 

通訳・翻訳者としてのキャリア 

~スウェーデン、フィンランド、フランスの企業での経験~

 

Q.土田さんは通訳者・翻訳者として、長年ご活躍されていらっしゃいますが、どのようにキャリアをスタートされたのでしょうか?

 

95年に社内通訳者としてデビューしました。最初は大手スウェーデン系ベンダーのエリクソンという会社でした。当時は日本で携帯電話が本格的に普及し始め、事業が急激に成長していました。英語力のある人を採用し社内で鍛えて、携帯電話に詳しい通訳者を育てる動きに、私もうまく便乗させていただきました。

通訳のほかにも、いろんな経験をさせていただきました。スウェーデンをはじめ、仕事のおかげで行くことができた場所や出会った方々は多く、本当にありがたいですね。

その後、仏アルカテル・ルーセント、フィンランドのノキアを経て、2019年より仏コンサルティング会社 キャップジェミニに勤務しております。

 

ヤラクゼンを全社導入

~膨大な英語文書を、誰でもいつでもセキュアに翻訳ができるように~

 

Q.キャップジェミニ株式会社について教えてください。

 

キャップジェミニという会社は、フランスのIT・ビジネスコンサルティング会社です。世界50か国に展開し、社員数は全世界で約29万人。金融、製造業を中心に、コンシューマー、テレコム、ユーティリティ等、様々な分野にサービスを提供しています。

キャップジェミニ日本法人(オンサイト)で約550名、外国人比率は約4割と多国籍で、そのうちの約6割がインド系、約2割が台湾や香港の中華系です。他に韓国、イギリス、ドイツ、フランスなど、各国1、2人ずつ在籍しています。

私は通訳者ですから、ここ最近はリモートで繋ぐことが多くなっています。プレゼンや打ち合わせ時の同時・逐次通訳のほか、他チームとのコラボレーションも多いですね。

 

Q.キャップジェミニ日本法人では、ヤラクゼンを全社導入頂きました!

導入した背景について教えてください。

 

私が入社した時、既にヤラクゼンは導入されていました。ライセンス数が限られていたため、取り合いになっていました(笑)

グローバルで29万人の社員が、毎日膨大な量の英語文書を作っており、それを日本語に訳す必要があります。一気にすごい量の文書がくることもある。人手では、一時間にせいぜい2、3枚位しかさばけないので、翻訳者だけでは手が足りない。「全社員にヤラクゼンのアカウントを割り当てた方が効率的なんじゃないか?」と、話が発展しまして全社導入に至りました。

 

Q.ヤラクゼンをどのようにお使いいただいていますか?

 

大きく分けて、2通りの使い方に分かれています。お客様に対して提案を出すときと、バックオフィス・間接部門が社内で使う場合です。

お客様への提案時には、提案書、デザイン、プロジェクト体制等、大量の文書が発生します。翻訳者だけでは、短い入札期間にとても間に合わせられません。一気にヤラクゼンで訳し、翻訳者と関係者全員で日本語を校正しています。

バックオフィスでも、周知すべき社内ルールや規約、コンプライアンス、ESG、倫理的行動に関するものなど様々な文書があります。ほぼグローバル本社側で作っているので、それを日本語化して社員に配布しています。

 

Q.全社導入にあたって、セキュリティ条件がかなり厳しかったと思うのですが、どうクリアされたのでしょうか?

 

セキュリティに関しては、逆に導入して良かったです。無料のツールもありますが、もし何かセキュリティ的な事案が発生した場合、会社の管理責任を問われかねない。ヤラクゼンでは、全部クラウド上に格納され、セキュリティ対策がされています。社員に有料の翻訳ツールを提供することは、会社としてあるべき姿だと思いました。

もう1つ、社内セキュリティ保持という面もあります。最初は社内に少数のライセンス数しかなかったので、「これやってくれない?」と、その人とは関係のない翻訳依頼が届き、ヤラクゼンで翻訳して返していました。本来、知る必要のない情報が届いていたわけです。全社員にヤラクゼンアカウントを付与して情報を閉じる世界を作った方が、よっぽどセキュリティ的には良かったですね。

 

通訳・翻訳者として、グローバルコミュニケーションで大事にしていること

~ダイバーシティ、トレランス、リスペクト~

 

Q.通訳・翻訳者としてご活躍されている土田さんが、心掛けていらっしゃることを教えてください。

 

通訳者としてはなるべく無色透明に、正確に伝えるように努めています。ただ日本人は、文脈を読むような曖昧な表現になることがあります。これは海外の方には通じないので、日本語から英語にするときは、ある程度、強く訳すということを心がけていますね。日本人から見ると、そこまで強く言ってないと感じるかもしれないけれど、通訳に許されるギリギリのところで勝負する時もあります。

 

Q.グローバルコミュニケーションで大事なことは何だと思いますか?

 

単に英語ができればグローバルコミュニケーターかというと、必ずしもそんなことはなく、結局は人だと思っています。英語で言うと”Be a man“、私の通った大学の校訓でもあります。世界中の人と私達は、似たようなところもあるけれど、違っている部分もたくさんある。お互いに認め合い、違いを尊重する精神が必要だと思います。

今、多様性がとても重要と言われていますよね。人との違いがあることをまず受けとめて、寛容性をしっかりと念頭におきながら、相手に対する尊敬の念を忘れないことが大切です。コミュニケーションで大事なことは、ダイバーシティ、トレランス、リスペクト、この3つが鍵ではないでしょうか。