Home導入事例株式会社富山

Case Study

導入事例

「契約書も履歴書もファイルごと翻訳」ベトナム事業の言語の壁を突破した株式会社富山の翻訳DX

「ベトナム語の翻訳、特にファイル単位でできるサービスが必須だった」──ベトナムでの新規事業立ち上げに伴い、言語の壁に直面した株式会社富山。契約書や現地スタッフの履歴書など、日々発生する膨大なベトナム語の書類。当初は無料の翻訳ツールを使用していましたが、ファイル翻訳ができない点やセキュリティ面での懸念が大きな課題でした。
こうした課題を解決するため、ベトナム語に対応し、ファイルごとドラッグアンドドロップで翻訳できる「ヤラク翻訳」を導入。これにより、翻訳業務が大幅に効率化され、事業のスピードを落とすことなく内容の把握が可能になりました。
導入までのプロセスや、現場での具体的な活用方法について、同社の代表取締役社長の富山容匡氏と、海外事業を担当する佐野愛子氏にお話を伺いました。

株式会社富山

本社工場:東京都西多摩郡瑞穂町長岡2-2-2

設立:1959年(昭和34年)6月

事業内容:精密板金加工の専門メーカー。精密板金とプレス加工を主軸とし、医療機器やATMといった金融関連機器の部品などを製造。香港、中国、ベトナムに海外拠点を展開し、グローバルに事業を推進
ウェブサイト:https://www.k-tomiyama.co.jp

お話しを伺った方

株式会社富山 代表取締役社長
富山容匡氏(写真)

株式会社富山 取締役海外事業統括
佐野愛子氏

課題
 ベトナムでの新規事業立ち上げに伴い、契約書や公文書など、ベトナム語の書類を日本語で理解する必要性が急増した
 社内にベトナム語を理解できる人材がおらず、翻訳作業がボトルネックになっていた
 Google翻訳などの無料ツールでは、ファイル単位での翻訳ができず、容量制限やセキュリティ面での懸念があった

解決策
 ベトナム語に対応し、ファイル翻訳機能を持つ「ヤラク翻訳」を導入
 PDFやWord、Excelなどの書類をドラッグアンドドロップするだけで翻訳し、内容把握にかかる時間を大幅に短縮
 採用活動において、ベトナム人応募者の履歴書をファイルごと翻訳し、迅速な書類審査を実現

効果
 一文ずつ翻訳していた手間がなくなり、翻訳業務が格段に効率的になった
 シンプルな操作性で誰でも使いやすく、導入から契約まで約2週間とスムーズに活用を開始できた
 専門的なリーガルチェックが必要な書類はコンサルタント、迅速な内容把握が必要な書類は「ヤラク翻訳」と目的に応じた使い分けでコストとスピードのバランスを最適化

ベトナム新規事業で浮上した「言語の壁」。フリーソフトでは対応しきれない量とセキュリティの課題

ーー 貴社の事業概要と、翻訳サービス導入を検討された背景についてお聞かせください。

富山氏: 私たちは金属製品の精密板金加工とプレス加工を主に行っており、主に機械を組み立てるための部品を製造しています。日本では医療関係や金融関係、例えばATMの部品などを手掛けています。海外では香港、中国、そしてベトナムに拠点があり、特にベトナムは新規事業という位置づけですべてが新しい状況でした。

事業を立ち上げる過程で、現地とのやり取りは当然ベトナム語になります。契約書をはじめ、あらゆる書類がベトナム語で作成されるため、それらを日本語に翻訳する必要に迫られたのが、導入を考えた直接のきっかけです。

ーー 当初は、ベトナム語から日本語への翻訳ニーズが大きかったのですね。ヤラク翻訳が導入される以前は、どのように対応されていたのでしょうか?

富山氏:当時は、無料で使えるGoogle翻訳などを使っていました。しかし、ファイル単位で翻訳できず、容量の大きいファイルは扱えないという問題がありました。数十ページに及ぶ契約書などを扱う際には、非常に手間がかかります。ドラッグアンドドロップでファイルごと一括で翻訳できる機能が欲しいと強く感じていました。

契約書が多い週には、毎日のように翻訳作業が発生することもあり、業務量に波がある中で効率的に処理することが難しい場面もありました。

佐野氏:セキュリティ面での懸念も大きかったです。特に政府との契約書やまだドラフト段階の内部資料などを扱う際に、「フリーソフトで翻訳するのはどうなのだろうか」という気持ちがありました。有料のセキュアなサービスを使う必要があると感じていました。

決め手は「ベトナム語対応」。トライアルを経て、スムーズに導入へ

ーー 様々な翻訳サービスがある中で、ヤラク翻訳をお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか?

佐野氏:はい、インターネット検索で、ヤラク翻訳を知りました。他社のサービスもいくつか検討しましたが、決定的な違いは「ベトナム語への対応」でした。主要な翻訳サービスの中にはベトナム語に対応していないものも多く、選択肢が限られていたこともヤラク翻訳を選ぶ後押しになりました。

ーー 導入までの流れはスムーズでしたか?

佐野氏:ええ、とてもスムーズでした。まずWebでセールスの方から30分ほど使い方の説明を受け、その後トライアルをさせていただきました。使い勝手が良いことを確認し、すぐに契約を決めました。おそらく、問い合わせから2週間程度で本格的に利用を開始できたと思います。

ーー 現在は、主にどのような場面でヤラク翻訳をご活用されていますか?

富山氏:メインで使っているのは、ファイル翻訳です。

PDFやWord、Excelで作成されたベトナム語の書類をヤラク翻訳に入れ、日本語で内容を把握するという使い方がほとんどですね。「何が書いてあるのかを読む」という目的です。

翻訳された文章を自分たちで細かく修正する(ポストエディット)というよりは、書かれている内容を理解するために使っています。

特に頻度が高いのは、ベトナム人の採用活動で使う履歴書です。現地から送られてくる履歴書をそのまま翻訳し、書類審査を行っています。全く専門外の方が応募してくることも多いので、面接の時間を無駄にしないためにも、事前のスクリーニングはとても重要です。

履歴書のような書類はヤラク翻訳でファイルごと処理しつつ、ちょっとしたメールや短い文はGoogle翻訳を使うなど、用途に応じてツールを使い分けています。

富山社内に展示されている過去に制作していた部品

「シンプルで使いやすい」ことが最大の魅力。翻訳業務の効率化を実感

ーー ヤラク翻訳を導入したことで、どのような効果を感じていらっしゃいますか?

富山氏:とにかく「翻訳が楽になった」ということに尽きます。以前のように一文ずつコピー&ペーストする必要がなくなり、ファイルごと処理できるようになったのは非常に大きいですね。

佐野氏:操作画面がごちゃごちゃしておらず、シンプルで分かりやすい点も気に入っています。だからこそ、導入後すぐに迷うことなく使えましたし、そこが使いやすさに繋がっていると感じます。

ーー 翻訳の精度についてはいかがでしょうか?

富山氏:正直なところ、翻訳された日本語が完璧かというと、そうではない部分もあります。ネイティブの感覚からすると「少しおかしいな」と感じる部分もあるでしょう。ただ、私たちは100%の正確性を求めているわけではありません。「雰囲気を掴む」「こういうことが書かれている契約書なのだろう」と大枠を理解することが目的なので、現状の精度で十分だと感じています。体感としては、7割くらいの精度で理解できるという印象です。

ベトナムでは政府が発行する公文書は、データではなく書類をスキャンしたデータだけというケースがあります。

スキャンだと画質が粗いので、文字認識ができず翻訳ができないこともあります。その場合は、最終的に現地ベトナム人スタッフに確認するしかありません。

スピード重視の「ヤラク翻訳」と、正確性重視の「専門家」。目的で使い分ける今後の展望

ーー 翻訳の品質が非常に重要になる場面では、どのように対応されていますか?

富山氏: 登記関係や契約書など、法的に極めて正確性が求められる重要な書類については、現地のコンサルティング会社に依頼しています。そこは費用がかかっても、専門家によるリーガルチェックと保証が必要だと考えています。

ヤラク翻訳は、あくまで社内で迅速に内容を把握するためのツールという位置づけです。この使い分けが、私たちの事業スピードとコストのバランスを最適化してくれています。

ーー 最後に、ヤラク翻訳の導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

富山氏:私たちのように、特定の言語(特にアジア圏の言語)に対応できる翻訳ツールを探していて、かつ大量の書類を迅速に処理したいと考えている企業には、非常におすすめできるサービスだと思います。

完璧な翻訳を求めるのではなく、事業を推進するために「まず内容をスピーディーに理解する」という目的であれば、ヤラク翻訳は強力なパートナーになってくれるはずです。