Home導入事例有限会社アンテナ

Case Study

導入事例

専門性が求められる在日米軍関連ドキュメントを、より速く・正確に 色で見える、記憶される。現場が「便利」と実感する翻訳支援ツール

沖縄を拠点に、在日米軍関連の調達案件を専門に支援している有限会社アンテナ社。同社では、建設仕様書や安全マニュアルなど数百ページに及ぶ英文技術文書を日常的に扱っており、その翻訳には高い専門性と迅速さが求められます。
そうしたニーズに応えるべく導入されたのが、生成AI搭載の翻訳支援ツール「ヤラク翻訳」。
「色で見える」「過去の訳を覚えてくれる」―その特長が、プロフェッショナルな現場でも確かな成果を生んでいます。

導入企業プロフィール

有限会社アンテナ

沖縄県那覇市に本社を構え、在日米軍調達市場への参入を目指す国内企業に対し、コンサルティング、翻訳支援・申請サポートを一貫して提供。累計3,000社以上を支援しており、米軍エンジニア協会(SAME JAPAN)の理事も務めるなど、業界内での信頼も厚い。

URL:https://www.antenna-okinawa.co.jp/

取材応対者

代表取締役社長:仲松広人氏

アドミニストレーター:又吉昌代氏

導入背景:専門性と負担増の両立に限界

アンテナ社では、在日米軍の調達案件に関する膨大な英文資料を、少人数体制で翻訳してきました。
翻訳対象は建設仕様書、入札関連資料、安全基準マニュアルなど、1件あたり数百ページにも及ぶ高度な技術文書もあります。さらに、文体は独特で「ひとつの文が非常に長く、意味での切れ目が少ない」といった特徴があり、単なる翻訳にとどまらず、構造の理解や意訳の判断が求められる作業だと言います。
繁忙期には翻訳作業が日常業務を圧迫し、外注対応も増加していました。
仲松さんは当時の状況をこう振り返ります。

「“またあの時期が来た……”と感じるようなストレスが常態化していました」

こうした課題を解消するため「品質とスピードを両立しつつ、属人性を低減できるツール」と評価する「ヤラク翻訳」が選ばれました。

選定理由:外注依存からの脱却と内部体制の強化

ヤラク翻訳の導入により、翻訳業務の在り方は着実に変化したと仲松さんは話してくれます。

「これまで繁忙期には外注を増やして対応していましたが、訳文の品質にばらつきがあったり、社内での手直しが必要なケースも多く見られました。そこで“社内リソースを最大限活かしながら、一定の品質を維持できるツール”として期待が高まったのは、ヤラク翻訳です」

導入後は、翻訳チェックの効率化や過去に訳した訳文の再利用ができるようになり「すべてを一から翻訳と確認する体制」から「確認すべき部分に集中する」スタイルへと大きくシフトしました。

導入効果1:色で見える安心感、対応作業の負担軽減

アンテナ社が特にヤラク翻訳の機能で評価しているのが“翻訳メモリとの一致率が色で可視化される”点です。

「色の付いていないセグメントだけを集中的に対応すればよく、作業にメリハリがつきました。全文を読み直す必要がなくなり、大幅に効率化しています」(又吉氏)

この色分け表示は、複数人で行うレビュー作業においても威力を発揮し、各メンバーの負担軽減に繋がっています。

一致率によって薄い青や濃い青で色分けされる。翻訳メモリと一致していない場合はグレーとなる

導入効果2:訳語の「記憶」で属人性を解消。チーム翻訳の資産化へ

案件ごとの訳語や表現を登録し、その次の翻訳時に再利用できる「翻訳メモリ」機能も大きな効果をもたらしています。

「ヤラク翻訳を導入する前は担当者しか覚えていない表現が多く、引き継ぎに時間がかかっていました。ですが今は、ヤラク翻訳が“覚えて”くれます。確認だけで引き継ぎが完了するので非常に助かっています」(仲松氏)

担当者に依存しない仕組みができたことで、属人化しがちだった翻訳業務の平準化が進んでいます。

導入効果3:スピードは3倍、ネイティブチェックも「直すところがない」と驚く品質に

導入効果は数字としても表れています。かつて10名体制で1年がかりだった案件が、4〜5名体制でも、4ヶ月ほどで完了できるように。
さらに、ネイティブによる最終チェックでも「修正がほとんど必要ない」と評価される場面も増えているといいます。

「人が一から訳すよりも、“ヤラク翻訳がまず翻訳してくれているのでだいぶ楽になった”という感想が出てきたのは新鮮でした」(仲松氏)

課題:PowerPointやPDF翻訳でのレイアウト崩れが課題

現在の課題として挙がったのが、PowerPointやPDF形式の翻訳処理です。

「特にPowerPointでは、セグメントの順番が乱れたり、不要な文字が混じることがあります。私たちは一度WordやExcelを経由するなど工夫して使っています。ツール側の改善を期待しています。」(又吉氏)

※ヤラク翻訳はレイアウト崩れにも対応するように定期的にアップデートを実施しています。2025年7月のバージョンアップでは、PDFファイルのレイアウト崩れを改善いたしました。パワーポイントのレイアウト崩れについては、関連記事をご覧ください
関連記事:PowerPointをまるごと翻訳する方法と手順を徹底解説

少数精鋭だからこそ、翻訳ツールの力が活きる

米軍関連の技術文書は専門性が高く、文量も膨大です。アンテナ社のような少数精鋭のチームにおいて、ヤラク翻訳は“人の手だけではカバーしきれない領域を支えるパートナー”として活用されています。

仲松さんはこう話してくれました。
「“またあの時期が来た”という気持ちが、だいぶ楽になりました。ヤラクがいてくれるという安心感があります」

編集後記

1年以上かかっていたような膨大な翻訳業務が、ヤラク翻訳をお使いいただくことでわずか4ヶ月で終えられるようになった、というインパクトあるエピソードをお話しいただいたアンテナ社さま。インタビューの中で触れていた“翻訳メモリ機能”は、属人性の解消と翻訳品質のバラつきをなくすためにヤラク翻訳に搭載された機能で、それを十二分にご活用いただいていることが嬉しく思います。
人とAIの協働によって翻訳作業を効率化できた好事例だと感じました。

メールマガジンでお役立ち情報配信中