スウェーデンから日本、そして八楽へ
日本に来たきっかけは何だったんですか?
話すと少し長くなるんですが、短くまとめると、兄が日本で働いていたので、旅行で遊びに来たのがきっかけです。
自分自身は、もともと日本に強い興味があったわけではなかったんです。でもなぜか、来た初日に東京と日本をすごく好きになったんですよね。
旅行のあとスウェーデンに戻ったんですが、1年くらい、日本で働く方法を探しました。でも当時は、すでにビザを持っていることを応募条件にしている日本企業が多かったので、最終的には仕事を辞めて、学生ビザで語学学校に通うために日本へ来ました。
正直、日本語の勉強自体にそこまで興味があったわけではないです。日本にいるための方法が欲しかった、という感じですね。
八楽にはどうやってたどり着いたんですか?
日本語を勉強しながら、また仕事を探し始めました。
ある日八楽の応募を見つけて、それが自分にぴったりだったんです。応募条件も自分がスウェーデンでやっていたことと全部一致していたので、「これは、今までで一番いいチャンスだ」と思って応募しました。
面接場所はSuguru(代表取締役)が住んでいた小さなアパートでした。テーブル一つに、Suguruと、当時働いていたデザイナーと、自分が交代で入ることになる開発者がいるような環境でした。
面接が終わって駅まで歩いていたら、SuguruからFacebookで友達申請が来たんですよね。それで、「あ、たぶん採用されるな」と思いました。面接を出て5分くらいだったので、かなりいいサインだと感じたんです。

唯一のディベロッパーからCTOへ
八楽に入ってから、役割は変わりましたか?
はい、100%変わりました。
入社した頃は自分が唯一の開発者で、開発に関することはほとんど全部自分でやる必要がありました。
今では大きくて素晴らしいチームがあって、企画、プロジェクトマネジメント、開発をそれぞれ担当しています。自分の今の役割は、全体の仕事や優先順位を見たり、Suguruと話したり、その内容をチームに伝えたり、技術面で大きな判断をしたりすることが中心です。
今なら自分が1か月病気で休んでも、八楽は止まりません。入社した頃だったら、自分が1か月休んだら、たぶん開発業務はすべて止まっていました。すごく良い変化だと捉えています。
問い続けること、意見を交わすこと
八楽でのコミュニケーションについて、どう感じていますか?
スウェーデンの友達とは、いろんなことを話し合ったり、議論したりすることが多いです。
「こうだったらどう?」「じゃあ、こういう見方は?」みたいに考えるのが面白い。自分の意見を試しているような感じですね。
自分の感覚では、日本では人と衝突しないようにしたり、相手を不快にするようなことを言わないようにしたりする傾向が少し強い気がします。
でも、八楽の人たちは少し違うと感じます。議論がしやすいですね。八楽に応募する人の多くが、少し違う文化、つまり自分の意見を共有したり、話し合ったりできる場所を求めて来ているのかもしれません。
Suguruさんを数語で表すなら?
誰かのことを数語でまとめるといわれると難しいですが、そうですね……“progressive and unconventional”(革新的で型破り)だと思います。
特にprogressive、革新的であることに関しては、彼は常に前に進もうとします。多くのリーダーとはかなり違うと思います。
昔、自分とSuguruと数人しかいなかった頃は、一緒に大企業へ打ち合わせに行ったりしていました。Suguruが何か言った時に、「そんな話し方で大丈夫なのかな?」と思うこともあって。
でも、投資家や大企業の人たちは、Suguruがunconventional、型破りだからこそ好意的に見ているんだと気づきました。面白いと思ってくれるし、だからこそ彼のビジョンを信じてくれる部分もあるんじゃないかと思います。

「もっといい方法はないか? もっとシンプルな方法は?」
仕事をする上での哲学はありますか?
あります。自分がいつもやろうとしているのは、自分がやっていることを常に問い直すことです。
解決策を見つけても、「ああ、やっと見つかった」と思ってそのまま次に行くわけではなくて、ずっと問い続けます。
いつも考えるのは、「もっといい方法はないか? もっとシンプルな方法はないか?」ということです。
私はものごとを複雑に考えすぎる傾向があるので、今でも毎日何度もこの問いを自分に投げかけています。
あとは、好奇心を持ち続けて、新しいことを学び続けることですね。
開発を20年くらいやっていると言うと、「すごいエキスパートなんだろう」と思われるかもしれないですけど、私はいつも新しいことを試していて、時々、自分でもほとんど初心者みたいに感じることがあります。
自分のコンフォートゾーンのちょっと外側にいるようにして、今までやったことのないことをやる。それで新しいことを学べるようにしています。
仕事でうまくいかないときはイライラしますか?
しないですね。イライラすることはほとんどないと思います。
ある解決策をずっと考えていて、それがうまくいかないと分かったり、行き詰まったりすることはあります。そういう時はストレスを感じます。
でも、問題を違う方向から考えて見て、別の解決策を探るようにしています。
イライラする、frustrated という言葉の意味を私が正しく理解しているのか分からないですけど、「もう逃げ道がない」という感じで捉えているんですよね。
でも、必ず別の道はある。仕事では、いつでも違うやり方ができます。
ヤラク翻訳は常にシンプルに
八楽とヤラク翻訳の魅力は何だと思いますか?
雰囲気と人ですね。間違いなく。
もう一つは、問題に対応する速さだと思います。何か問題があれば、カスタマーサクセスチームからすぐ開発チームに共有されて、場合によってはその日のうちに誰かが修正しようとします。問題の解決に重きをおいていると思います。
アプリにおいて強く意識していることは、すべてをシンプルに保つことです。そこが魅力の一部だと思っています。
他の翻訳ツールには、すごくたくさんの機能があるものもあります。それを本当に必要としている人もいますし、ヤラク翻訳はその方たちに向けたツールではないのかもしれません。
一方で、全部の機能はいらなくて、もっとシンプルなプロダクトを使いたい人もたくさんいると思います。私にとって、シンプルさが製品と開発の両方においてとても重要です。
ディベロッパーが常に学び続けられるチームづくり
仕事上の目標はありますか?
一つは、開発者のみんなが楽しく働けて、仕事を楽しんで、新しいことを学べることかなと思います。
不満を抱えている人ばかりの会社でも、ある程度までは「働け、働け、働け」と押すことで進められるかもしれない。
でも、そこまでだと思います。
みんなが仕事を楽しんでいるなら、限界はないんじゃないかなと思います。
日々採用する技術的なソリューションも、常に現代的で最新の状態に保ちたいと思っています。テクノロジーはの進化は非常に早いので、すべてを追い続けるのは簡単なことではありません。
でも八楽には、ディベロッパーが常に最新技術を試し、新しいことを学び、それを楽しめるような場所であってほしいです。

八楽でどんな人と一緒に働きたいですか?
謙虚で、好奇心があって、プロフェッショナルな人ですね。
自分で問題を解決しようとする人が好きです。誰かが直してくれるのを待つだけではなくて、自分から考えて動ける人。
謙虚さも、いい雰囲気を保つためにすごく大事だと思います。人によって知識のレベルも違いますし、自分も長く仕事をしていますけど、全然知らない分野はあります。
たとえば二十歳くらいの相手でも、その人の方が詳しいことがあれば、「何をやっているの? どういう仕組みなの?」と普通に教えてもらいます。
その時に、「え、そんなことも知らないの?」という態度ではなく、普通に説明してほしい。お互いに尊重し合って、謙虚でいてほしいと思います。
それから、好奇心ですね—好奇心を持ち続けて、学び続けることが本当に大切だと思います。

― 仕事でもそれ以外でも、特に大切にしていることはありますか?
「問い続けること」がとても重要だと思っています。
開発に向き合うときも同じです。「もっと良い方法はないか?」「もっとシンプルにできないか?」と常に自問しています。
これは仕事で成功するための秘訣でもありますし、自身の視野を広げて新しいことを学び続けようとすることで、人生はもっと面白くなると思います。