はじめに
MicrosoftEdgeは、Windows10以降のOSに標準搭載されているブラウザであり、軽快な動作や高いセキュリティ機能、そしてさまざまな拡張機能への対応など、多岐にわたる特長を持っています。
その中でも便利な機能の一つが「翻訳機能」です。英語や中国語など、外国語で書かれたウェブページを読む機会が増えている現代では、ブラウザに翻訳機能が内蔵されていることは非常に心強いものです。
本記事では、MicrosoftEdgeの翻訳機能を使いこなすための設定方法や、翻訳がうまく表示されないときの対処法を詳しく解説します。ウェブ上のあらゆる情報にアクセスできる幅が広がり、より豊かなインターネット体験を楽しむことができます。
翻訳機能の基本的な使い方
MicrosoftEdgeには標準で翻訳機能が組み込まれており、外国語で書かれたページを日本語やその他の言語に翻訳することが可能です。使い方は大きく分けて2つあります。
外国語のWebページを丸ごと翻訳する


- 外国語サイトを開く
まずは英語などの外国語で書かれたウェブサイトを開きます。すると、ページ上部、もしくはアドレスバー付近に「翻訳しますか?」といったメッセージや翻訳アイコンが表示される場合があります。 - 翻訳を実行
「翻訳する」ボタンをクリックすると、ページ全体が指定した言語(通常は自動的に日本語が選択されます)に翻訳されます。翻訳実行後に、画面左上やアドレスバー付近に「翻訳完了」というメッセージが表示されれば成功です。 - 翻訳言語の確認・変更
翻訳された言語が意図したものでない場合は、表示された翻訳アイコンやバナーをクリックして、言語設定を変更できます。ここで翻訳先の言語や、翻訳元の言語を再設定することが可能です。
選択したテキストのみ翻訳する方法
Webページの中には一部分だけが外国語になっている場合もあります。そんなときに使える方法が「選択翻訳」です。

- テキストをドラッグして範囲選択
翻訳したいテキスト部分をドラッグしてハイライトします。 - 右クリックメニューから翻訳を選ぶ
選択部分を右クリック(またはタッチパッドの場合は2本指タップ)するとメニューが表示されるので、「選択範囲を翻訳」や「Bingで翻訳」といった項目を探してください。 - 翻訳結果を確認
言語が自動で判別されたうえで、新たな小窓やサイドパネルに翻訳結果が表示されます。
このように、Webページ全体を翻訳する方法と、特定部分だけを翻訳する方法を使い分ければ、必要な情報を効率よく読み取ることができます。
翻訳機能の設定方法
Edgeの翻訳機能は初期状態でも比較的簡単に利用できますが、細かい設定を行うことで自分好みにカスタマイズできます。ここでは、自動翻訳のオン/オフや翻訳対象言語の設定など、覚えておくと便利な項目を紹介します。
自動翻訳のオン/オフ設定

- 設定画面を開く
画面右上にある「…(設定など)」アイコンをクリックし、表示されたメニューから「設定」を選択します。 - 言語に関する設定を開く
左側のメニューから「言語」をクリックすると、MicrosoftEdgeの言語関連の設定画面に移動します。 - 自動翻訳の切り替え
「翻訳をオファーする」または「提案する」といった項目のオン/オフを切り替えることで、Edgeが外国語ページを開いたときに自動的に翻訳を提案するかどうかを設定できます。
自動翻訳をオンにしておくと、外国語のページを開いた際に自動的にバナーが表示され、「翻訳しますか?」と尋ねられるため、初心者にはわかりやすい設定と言えます。一方で、専門用語が多い技術文書などを精密に読みたい場合などは、自動翻訳をオフにしておき、必要に応じて自分で翻訳を実行する方が原文を把握しやすいでしょう。
翻訳対象言語のカスタマイズ
MicrosoftEdgeでは、特定の言語を常に翻訳する、あるいは逆に翻訳しない設定も行えます。
- 常に翻訳する言語の設定
たとえば英語のページを開くたびに翻訳してほしい場合は、英語の言語設定から「常に翻訳する」を選択しておきましょう。 - 翻訳しない言語の設定
例えば「普段からフランス語を読めるので、フランス語は翻訳しなくてよい」というような場合は、フランス語の言語設定を「翻訳しない」としておけば、毎回翻訳バナーが表示されることはなくなります。
このように、各言語別に翻訳の動作を指定することで、余計な操作を減らしたり、自分の読解レベルに合わせた最適な状態を作れます。
翻訳機能が表示されない場合の対処法
Edgeで翻訳を使用したいのに、「翻訳アイコンが表示されない」「翻訳バナーが出てこない」という状況に陥るケースがあります。以下では、その原因と具体的な解決策を解説します。
- 言語設定や翻訳オプションを再確認
前述の通り、自動翻訳がオフになっている場合や、特定言語について「翻訳しない」設定になっていると、翻訳バナーが表示されません。まずは言語設定を確認してみましょう。 - 使用していない言語パックの削除
Edgeだけでなく、Windows自体にインストールされている言語パックが原因で、翻訳機能がうまく動作しない場合があります。不要な言語パックを削除するか、Windowsの設定で優先言語の順序を見直してください。 - ブラウザのバージョンアップ
MicrosoftEdgeは自動更新が基本ですが、場合によっては古いバージョンを使用していることもあります。最新バージョンでは翻訳機能の改善や不具合修正が行われていることが多いため、Microsoft公式ダウンロードページで更新が必要かどうかを確認してください。 - 一時的な不具合や通信エラー
稀にEdgeが翻訳サーバーに接続できず、翻訳アイコンやバナーが表示されないこともあります。ブラウザを一度終了して再起動したり、デバイスを再起動すると直る場合があります。
これらの対処法を試しても解決しない場合は、Windowsの言語設定を総点検し、再起動やEdgeのリセットを試してみることをおすすめします。
翻訳結果をより自然にするためのポストエディット
MicrosoftEdgeの翻訳機能は、ニュース記事やSNS、簡単な読み物をざっと理解したいときにとても便利です。しかし、そのまま翻訳結果をコピペしてレポートや社内資料に使ってしまうと、誤訳や不自然な表現がそのまま残ってしまうリスクがあります。読み物としての「参考訳」と、文書として使う「完成された訳文」は別物であるため、後者にはポストエディット(後編集)が必要不可欠です。
ポストエディットとは
ポストエディットとは、機械翻訳で生成された文章を人間が手直しし、より自然で正確な文章に仕上げる作業を指します。たとえば、文脈に合わない単語を訂正したり、文型が崩れている箇所を整えたりすることです。
特に専門的な内容や公的資料など、正確さが求められる場面では「翻訳→ポストエディット」というステップを習慣づけることで、翻訳品質を大きく向上させることができます。
簡単にできるポストエディットの方法
- 専門用語の置き換え
医学系や法律系など、専門用語が多い文章を翻訳する場合、機械翻訳では誤訳が生じる可能性が高いです。記事の内容に合わせて専門用語辞書やリファレンスを参照し、適切な訳語に置き換えましょう。 - 文脈を再度読み取る
前後の文脈を踏まえることで、機械翻訳が誤って解釈したニュアンスを修正できます。特に主語や目的語が省略されやすい言語間の翻訳では、文脈確認が欠かせません。
ポストエディットを行う際の注意点
ポストエディットにおいて大切なのは、原文の意図を正確に伝えつつ、読み手にとって自然な文章を作ることです。誤訳をそのままにしてしまうと、読み手に誤解を与えたり、場合によっては大きな問題を引き起こす恐れもあります。その一方で、過度に意訳しすぎると原文のニュアンスから離れてしまうこともあるため、バランスが重要です。
ポストエディットを習慣づけることで、機械翻訳だけに依存するのではなく、より高品質な訳文を提供できるようになります。個人で文章を読む場合でも、誤訳を減らして理解度を高められるため、ぜひ試してみてください。
まとめ
Microsoft Edgeに搭載されている翻訳機能は、海外サイトの情報を手軽に日本語で読むことができる便利なツールです。初期設定のままでもある程度使えますが、自動翻訳のオン/オフや言語別のカスタマイズを行うことで、より自分に合った翻訳体験を得ることができます。翻訳バナーが表示されない場合などには、言語設定やブラウザの状態を見直すことで、スムーズに解決できることもあります。
ただし、翻訳された文章をそのまま資料やレポートなどに転用する際には注意が必要です。Edgeの翻訳は「ざっと読む」には便利ですが、誤訳や不自然な表現が含まれることもあります。正確性が求められる場面では、翻訳結果に対してポストエディットを行うことが重要です。
機械翻訳の利便性を活かしつつ、必要に応じて人の目で確認・修正を加えることで、より高品質で信頼性の高い文章に仕上げることができます。情報収集だけでなく、翻訳結果を「使える文章」にするためにも、ぜひポストエディットを取り入れてみてください。
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この記事の執筆者:Yaraku ライティングチーム
翻訳者や自動翻訳研究者、マーケターなどの多種多様な専門分野を持つライターで構成されています。各自の得意分野を「翻訳」のテーマの中に混ぜ合わせ、有益な情報発信に努めています。
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