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公開日: 2025/06/13

長野県箕輪町が生成AI搭載の多言語翻訳サービスを導入

「命に関わる“情報の格差”をなくすため」外国籍住民への対応を強化|ハザードマップの5言語発行を目指す

生成AIを搭載した翻訳支援ツール(CATツール*)「ヤラク翻訳」を提供する八楽株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:坂西優、以下八楽)は、長野県箕輪町(所在地:長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪、町長:白鳥政徳、以下箕輪町)において、ヤラク翻訳が導入されたことをお知らせいたします。

近年増加している外国籍住民への「命に関わる情報」を確実に届けることを目的に、2025年4月に導入され、多言語翻訳での本格的な運用が始まっています。

※CATツール=翻訳作業を効率化し、品質を向上させるためのソフトウェアです。人間の翻訳者が作業する際に、機械翻訳(MT)や翻訳メモリ(TM)、用語集管理などを活用し、人とAIによって品質を保ちつつ効率的な翻訳をサポートします。

居住外国籍住民の多様化

人口およそ2万4,000人(2025年6月1日現在)の箕輪町には、820人ほど*の外国籍の方々が暮らしています。町内や近隣の製造業で働いている人が多く、出身国はブラジル、ベトナム、フィリピン、インドネシア、中国など多岐にわたります。従来は主に情報提供はポルトガル語で情報提供が行われてきましたが、住民構成の変化により、複数の言語で情報を提供する必要性が求められるようになりました。

*2025年6月1日現在、829人。箕輪町調べ

災害時や緊急時に「情報が届かない」現実に危機感

2020年に新型コロナウイルスが流行した際に、外国籍住民からの生活相談が急増しました。中には10年以上暮らしているにも関わらず「救急車の呼び方がわからない」といった事例があり、命に関わる情報の格差の深刻さが浮き彫りになりました。

災害時や緊急時における情報提供体制の見直しが進められ、多言語に対応できるツールの導入が検討されました。

導入の決め手は、「翻訳の質」と「現場にフィットする運用性」

箕輪町が導入を決めた「ヤラク翻訳」は以下の点で高く評価されました。

  • 複数の翻訳エンジンによる比較表示機能→翻訳結果の違いを一目で比較でき、より自然な表現を選択可能。
  • 逆翻訳による正確性のチェック→日本語に再翻訳することで、意図が正しく伝わるかを職員自ら確認できる。
  • 導入コストの低さ→初期投資や月額費用を抑えられる。
  • 個人情報への配慮→個人情報を扱う職場でも利用可能な仕様。
  • 行政職員が“使いながら慣れていける”設計→ITリテラシーを問わず、直感的な操作で自然と業務に取り入れやすい。

こうした特長が、限られたリソースで最大の効果を求める自治体ニーズと合致し、導入に至りました。

ハザードマップの5言語発行を目指す

2025年4月の導入以降、箕輪町くらしの安全安心課、多文化共生・男女共同参画推進室が中心となってヤラク翻訳を活用し、防災や生活情報の多言語化に本格的に取り組んでいます。

これまではブラジル人が多かったためポルトガル語への対応で十分でしたが、住民構成の変化によってタガログ語やベトナム語、インドネシア語、中国語への翻訳が求められています。

2025年度中にこれまでは日本語でしか発行していなかった防災ハザードマップを5言語で発行する予定です。

【会社概要】

八楽株式会社

所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5リンクスクエア新宿16階
代表取締役社長 兼 CEO:坂西 優
事業内容:生成AIを活用した翻訳支援ツール「ヤラク翻訳」の開発・提供
公式サイト:https://www.yaraku.com

箕輪町

所在地:長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪10298番地
町長:白鳥 政徳
公式サイト:https://www.town.minowa.lg.jp/index.html