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公開日: 2025/05/22 | 更新日: 2025/12/03

カメラで翻訳できる!リアルタイムで翻訳するアプリ厳選2個

カメラ 翻訳

スマホの翻訳アプリの中には、カメラで写した文字を自動的に他言語へ翻訳してくれる機能を持つものがあります。

以前はテキストを翻訳するには翻訳サイトに直接文章を入力する必要がありましたが、最近はカメラで撮影するだけで瞬時に翻訳結果が得られます。

カメラでの翻訳は、海外旅行や外国語の学習、または多言語の資料を扱うビジネスシーンなど、あらゆる場面で活用できます。特に、看板やメニューといった印刷物をリアルタイムに翻訳できるのは便利です。

今回はカメラを使って翻訳できる代表的なサービスを2つお伝えします。

山田先生

この記事の監修者

山田 優Masaru Yamada

立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士(異文化コミュニケーション学/翻訳通訳学)。フォードモーター社内通訳者、産業翻訳者として活動。その後日本通訳翻訳学会理事と一般社団法人アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)理事を歴任。 詳しく見る

カメラで翻訳ができる2つのサービスと特徴

ここでは、2つのカメラ翻訳サービスを紹介します。サービスごとの使い方や注意点も詳しく解説していきます。

スマホがあればどちらも無料で使えますので、ぜひ一度使ってみてください。

Google翻訳

Googleが提供する「Google 翻訳」アプリは、世界中で利用されている翻訳ツールです。

特にこのスマホアプリには、カメラを使ったリアルタイムの翻訳機能が搭載されており、看板やメニューなどの文字にカメラをかざすだけで、画面上に翻訳結果が即座に表示されます。

また、事前に対応言語をダウンロードしておけば、インターネット接続が不安定な場所でもオフラインで翻訳できます。

対応言語は100以上で、多様な言語を幅広くカバーしています(Microsoft [2])。さらに、音声入力や手書き入力、会話モードなど、多彩な入力方法が用意されており、さまざまなシチュエーションで活用できます。

特徴

  • リアルタイム翻訳:街中の看板やレストランのメニュー翻訳などで活用。
  • オフライン利用:インターネット接続が不十分な場所でも翻訳可能。
  • 多言語対応:メジャーな言語を中心に100言語以上に対応。

カメラでのGoogle翻訳の使い方

  1. アプリを起動し、翻訳したい言語ペアを設定
  2. 「カメラ」アイコンをタップ
  3. カメラを翻訳したい文字にかざすと、リアルタイムに翻訳結果が表示される(オフライン時は精度が若干低下する可能性あり)

八楽株式会社の代表・坂西と、弊社チーフエバンジェリストで立教大学教授・山田先生の共著「自動翻訳大全」をGoogle翻訳のカメラで読み取ってみました。

このようにカメラで翻訳したい文字が撮影出来たら

  • 原文・翻訳文画面に送信
  • 翻訳文の読み上げ
  • LINEやFacebookなど他のアプリに共有

をすることが出来ます。

注意点

  • 手書き風フォントや崩れた文字は認識できないことがある。
  • 翻訳結果は撮影環境に左右されることがある。

カメラで読み込んだテキストデータの取り扱い

Google翻訳アプリのカメラ翻訳機能を使用する際、入力されたデータが二次利用される可能性については、Googleのプライバシーポリシーによると、以下のように考えることができます。

Googleではテキストや画像データを、サービスの提供、維持、改善のために使用される可能性があります。これには、翻訳精度の向上や新機能の開発が含まれます。ただし、これらのデータは個人を特定できない形で処理され、プライバシーの保護が図られています。

また、ユーザーのデータを第三者と共有することはなく、使用されたデータは短期間保存されます。([3]Google Cloud)

個人情報などを含む資料の翻訳は注意

Google翻訳アプリを利用する際、個人情報や機密性の高い資料の翻訳には注意が必要です。

ユーザーのデータは個人が特定できない形で処理されるとはいえ、機密性の高い情報や個人情報を含む文書を翻訳する際には、データがGoogleのサーバーに送信される可能性があり、情報漏洩のリスクが完全に排除されるわけではありません。特に、銀行口座情報やパスワードなどの機密情報を含む文書の翻訳には注意が必要です。

個人情報や機密性の高い資料は翻訳にかけないこと、どうしてもそれらの翻訳を行う際にはオフラインモードの利用や、より高いプライバシー保護を提供する他の有料翻訳ツールをおすすめします。

Microsoft 翻訳

Microsoftが提供する「Microsoft 翻訳」アプリは、100以上の言語に対応した高性能な翻訳ツールです。スマートフォン向けアプリでは、テキスト、音声、画像、会話など多様な入力方法に対応し、リアルタイムでの翻訳が可能です。

Microsoft 翻訳のアプリでもカメラ機能を利用すると看板やメニューなどの文字をその場で翻訳でき、旅行やビジネスシーンで活用できます。事前に翻訳対応言語をダウンロードしておけば、インターネット接続が不安定な場所でもオフラインでの翻訳が可能です。

ちなみに、Microsoft 翻訳には多人数での会話翻訳機能も搭載されており、複数人でのコミュニケーションにも活用できます。

特徴

  • 画像ファイル翻訳にも対応:カメラでリアルタイムに撮影するだけでなく既存の写真を読み込んで翻訳することも可能。

Microsoft 翻訳のカメラ機能の使い方

  1. アプリをインストールし、翻訳言語を設定。
  2. カメラアイコンをタップして撮影(またはギャラリーから画像選択)。
  3. 翻訳範囲を指定すると、自動的に翻訳結果が表示されます。

翻訳し切れていない個所がありますが、上の画像が実際にカメラ翻訳してみた結果です。

 

カメラに写した写真だけでなく、スマホのフォルダ内に入っている写真も翻訳することができます。

注意点

オフラインモードでは一部の機能が制限される場合があります。(音声翻訳や会話モードなど利用不可など。)

カメラ翻訳が役立つ具体的なシーン

ここからは、カメラ翻訳が実際にどのような場面で役に立つかを例示します。ぜひ自分の利用目的に合った活用方法を見つけてみてください。

海外旅行先での看板やメニューの翻訳

海外旅行を楽しむ際、言語の壁は不安要素です。現地の駅やバス停、観光地の案内板が現地語のみで書かれていると、目的地へのアクセスや観光情報の把握が難しくなることがあります。しかし、カメラ翻訳機能を活用すれば、こうした不安を一気に解消できます。

また、レストランでのメニュー選びにおいても、写真が載っていないメニューが一般的な国もあるため、文字だけでは料理の内容が想像しにくいことがあります。

そんなとき、カメラ翻訳を使えば、料理名や材料、調理法などの説明文をリアルタイムで翻訳し、どんな料理かを理解したうえで注文できます。

海外からの資料やパンフレットの概要把握

海外から送られてきた英文の資料や、多言語で書かれた観光パンフレットを読む際にもカメラでの翻訳は便利です。内容を一文ずつ読むのではなく、全体をカメラで捉えることで、概要をすばやく把握できます。

語学学習のサポートとして

学習教材に載っている文章をスマートフォンで読み取れば、意味の分からない単語やフレーズをすぐに翻訳することができ、効率的な学習が可能です。

さらに、翻訳と併用して読み上げ機能を使えば、発音を聞いたりしてリスニングの練習にも活用できます。翻訳アプリを語学学習のサポートとして利用できるため大変便利です。

一方で、カメラ翻訳の「限界」と過信のリスク

ここまでカメラ翻訳の便利な活用シーンを紹介してきましたが、この機能が万能ではないことも理解しておく必要があります。特に、ビジネスの現場では、その限界を知らずに過信してしまうと、思わぬ誤解やトラブルを招く可能性があります。

「手書きのメモや、デザイン性の高いフォントは正確に読み取れないことが多い」 「契約書や技術マニュアルなど、一語一句の正確性が求められる文書の翻訳には全く向いていない」 「結局、翻訳された単語の断片から、自分で文脈を推測しないといけない場面が多々ある」

このように、カメラ翻訳はあくまで「その場にあるテキストの概要を素早く把握するための補助ツール」と割り切ることが重要です。

現在の技術では、テキストのOCR認識精度文脈の理解度に限界があり、特にビジネス上の重要な意思決定や、正確性が求められる公式な文書作成の場面で、カメラ翻訳の結果を鵜呑みにするのは非常に危険です。

便利なツールだからこそ、その限界を正しく理解し、「この場面では使えるが、この場面では使うべきではない」という判断基準を持つことが、ビジネスにおけるリスク管理の第一歩と言えるでしょう。

カメラ翻訳の注意点と限界(失敗しないために)

カメラ翻訳は非常に便利ですが、万能ではありません。特にビジネスシーンで利用する際は、思わぬトラブルを避けるために以下の注意点と限界を理解しておくことが重要です。

1. 文字認識(OCR)の限界(手書き・フォント)

手書き風のフォントや、デザイン性の高いフォント、崩れた文字は正確に認識できないことがあります 。 翻訳結果は、カメラのピントや明るさなど、撮影環境に大きく左右されます 。

2. 翻訳精度の限界(文脈・専門用語)

契約書や技術マニュアルなど、一語一句の正確性が求められる文書の翻訳には適していません 。 翻訳された単語の断片から、自分で文脈を推測しなければならない場面も多くあります 。 カメラ翻訳は、あくまで「その場にあるテキストの概要を素早く把握するための補助ツール」と割り切ることが重要です 。

3.【重要】機密情報・個人情報の取り扱い

最も注意すべき点です。Google翻訳やMicrosoft翻訳などの無料アプリを利用する際、個人情報や機密性の高い資料の翻訳には細心の注意が必要です 。

データは個人が特定できない形で処理されるとされていますが 、翻訳する内容は一度サービス提供元のサーバーに送信される可能性があります 。

情報漏洩のリスクはゼロではないため 、銀行口座情報、パスワード、社外秘の文書など を翻訳にかけるのは絶対に避けるべきです。安全性を担保する必要がある場合は、オフラインモードを利用するか 、より高いプライバシー保護を提供する有料の専門翻訳ツールの利用を推奨します 。

まとめ

スマホカメラを使った翻訳はOCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)機能と自動翻訳の進化により、誰でも簡単に使える便利なツールになりました。

  • Google 翻訳
  • Microsoft 翻訳

いずれも無料で気軽に使えます。旅行・ビジネス・学習など多彩なシーンで活用できるため、一度使い方を覚えれば日常生活がぐっと便利になるはずです。

とはいえ、翻訳にかける際は翻訳にかけた文書テキストが二次利用される可能性があることに注意しておきましょう。

特にビジネスで使う文書を翻訳する際には十分な注意が必要です。

 

参考文献

[1] Google(2024). 「Google 翻訳アプリのカメラ機能とプライバシーポリシー」. 2025年10月16日取得, https://support.google.com/translate/answer/6142483

[2] Microsoft Support. 「Microsoft Translator でサポートされる言語」. 取得日: 2025年10月16日, https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/microsoft-translator-%E3%81%A7%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E8%A8%80%E8%AA%9E-c17498cb-cbf6-4178-ae83-bd24934398a

[3]Google Cloud. 「翻訳データの使用ポリシー | Cloud Translation API.」. 取得日: 2025年10月6日, https://cloud.google.com/translate/data-usage?hl=ja&utm_source=chatgpt.com

 

 

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この記事の執筆者

Yaraku ライティングチーム
翻訳者や自動翻訳研究者、マーケターなどの多種多様な専門分野を持つライターで構成されています。各自の得意分野を「翻訳」のテーマの中に混ぜ合わせ、有益な情報発信に努めています。


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